Flowine

2012年08月16日

心で味わう。


ちょっと前に、友人が教えてくれたのですが、
「塩野七生」さんの本から、ワインに関することの抜粋を、ご紹介させていただきますね。




以下抜粋。



私、思うんですけどね、つまりいろんなものを楽しむのよ。


だから葡萄酒ひとつにしても、舌で味がどうの、また何年物だの、
そんなことは知ったことじゃないって感じがするのね。


イタリアでの生活がずっと長いでしょう。

そうすると、日本からやってきたかたと食事をすると、いつも
「塩野さん、ワインをどうぞ選んでください」ってことになる。

でも、選ぶったって、私の選ぶ基準はほかの人と相当ちがうからっていうわけですよ。

私がワインを選ぶときはね、ぜんぶストーリーがある(笑)。


つまりねぇ、私は、その心であじわう。





なんども申しますけれど、多くのことは、やはり心であじわうんですよ。


どのワインがいちばんうまいかってのを選ぶコンテストがありますとね、
イタリア人やフランス人は意外とだめなんです。

イギリス人が優勝したりして。

どうしてかっていえば、産地の人間はやはり自分になじみのあるワインを
5位ぐらいまでに選んじゃうわけよ。

産地のない国の人間のほうが、厳密に選べるんですよ。


私なんかはワインのいい悪いって、そんなに神経質になるような問題じゃないと思うの。


飲むときの空気、ヨットの上で飲んだとかね、つまり潮風の香りとか、
いろいろな要素がはいって、おいしいとね、感じる…

それほど客観的な基準なんて、悪いけどないのよ。


要するに私たちは心であじわう。


そのために歴史や物語が助けてくれるんです。





『おとな二人の午後』 (塩野七生&五木寛之) 世界文化社







「心で味わう。」

とても大切なことですよね。
これは、ワインに限ったことではなく、すべてに共通することなんだと思います。

ついついワインなんかも、どこどこの有名な誰誰が造って、
これはとても良いヴィンテージで・・・・・・・
そんなスペック的なことが先走ってしまいがちなのですが、
まずは、感じることが大切で、まさしく「心で味わう。」ことが大切。



考えてみたら、
うちの師匠の話をいろいろと聞いていると、
そんな肩書きみたいなスペック的なものは
くそくらえ(こりゃ、失礼。(笑))的な所がありますもん。(笑)

師匠のワイン教室も、スペック的なお話よりも、
やはりそのワインにまつわる、興味深い素敵なストーリーを中心にお話していますね。



私も、いかに楽しく飲んでいただけるか・・・という点にやはり気を配ります。





心の琴線に触れるような、そんなストーリーを持った素敵なワインたちを
たくさんご紹介していきたいものです。

いや、ワインって、必ずや素敵なストーリーがあるんですよね。

そういったことを伝えていくのが、私たちの役割なんだと思います。





ワインって、つくづく不思議な飲み物だなぁ・・・と思うのは、
塩野七生さんもおっしゃっているように、まったく同じワインでも、そのシチュエーション、
つまり、どんな方々と一緒に飲むのか、どんな場所、どんな雰囲気の中で飲むのか、
自分の心はどんな状態なのか・・・・・
そういったことで、味が変わるんですよね。

飲み物の中で、ワインが一番そういう影響を受ける気がします。

知らず知らずのうちに「心で味わっている」からなのでしょうか?





心で味わっていただけるワインをたくさんご紹介し、楽しんでいただくために、
師匠も私も、ますますこれからもがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします!!!



長々と失礼いたしました。



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